身寄り問題に「ただしく挑む」とは?
1,権利擁護と権利擁護支援
身寄りがない人は,身寄りがないという理由で,単なる支援の対象とみられるべきではありません。これは認知症の人や障害のある人と同様であるとともに,身寄りがないということは認知症や障害のようなインペアメント(能力の低下,障害)ではないのですから,なおさらです。
身寄りがない人が身寄りがないことで困難に陥ることがないよう自ら自己の権利を守ろうとすること,すなわち本人の「権利擁護」を支援者や事業者は支援する,すなわち「権利擁護支援」を行う,という支援形態が支援の基本的姿勢として採用されている必要があります。
2,副作用
身寄りがない人 は,身寄りがないという理由で,単なる支援の対象とみられるべきではありません。これは認知症の人や障害のある人と同様であるとともに,身寄りがないということは認知症や障害のようなインペアメントではないのですから,なおさらです。
身寄りがない人が身寄りがないことで困難に陥ることがないよう自ら自らの権利を守ろうとすること,すなわち本人の「権利擁護」を支援者や事業者は支援する,すなわち「権利擁護支援」を行う,という支援形態が支援の基本的姿勢として採用されている必要があります。
3,つながる、知りあう、ささえあう
上記のような副作用の少ない権利擁護と権利擁護支援を実現するためには,次のようなアプローチをとるべきであると考えます。
身寄りがない人は,地域や多くの他者とつながること・知りあうこと・支えあうことで,病気になったとき,死んだとき等身寄りがないことで支障が生じやすい事態に陥っても地域のなかまや支援者が適切に対応できる体制を「自ら」作り出し安心して日々の生活を営むことができるように努めます。
身寄りがない人を支える支援者や事業者は,こうした本人のつながる・知りあう・支えあう行為を支援する,すなわち「支えあいを支える」ことを役割とします。
※コミュニティ・アプローチ
なお,やどかりプラスでは,以上のような副作用の少ない権利擁護と権利擁護支援により身寄り問題の解決を目指すために,「コミュニティ・アプローチ」と呼ぶ手法をあらゆる事業において採用しています。
「コミュニティ・アプローチ」とは,「コミュニティの形成を目的とするのではなく,コミュニティを手段としあるいはコミュニティの存在を前提とし,コミュニティの働きや力によって,支援を必要とする方々の個々のニーズを充足するとともに,地域課題の解決を目指す課題解決アプローチ」です。
現在の社会は,商取引においても支援の提供においても,ほとんどの場合,消費者や支援対象者はひとりひとりバラバラの個人であることを前提に,社会システムが構築されています。これに対して,「コミュニティ・アプローチ」においては,コミュニティがあることを前提にすえてアプローチするのです。
やどかりプラスは,身寄り問題の解決に「ただしく」挑むための手法として,コミュニティアプローチを提案します。
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『身寄り』問題の解決に「ただしく」挑む宣言(仮)
私たちは,
『身寄り』問題の解決に挑みます。
私たちは,
『身寄り』問題の解決に挑むにあたって,
単なる制度の利用や二者間の契約によるのは対処療法であって,
本人を支えられる側に固定する
本人の孤立を固定する
といった副作用が生じることに留意し,
もっと本質的な解決
すなわち,権利擁護としての『身寄り』問題の解決を目指します。
私たち『身寄り』がない本人らは,
自ら行動し,
自ら社会・地域・なかまとつながり,
自ら『身寄り』がないことで起きることが予想される困難に備え,
支援者・事業者・行政等とも協働して,
自ら『身寄り』がなくても安心して暮らせる日々を構築するとともに,
『身寄り』の有無にかかわらず安心して暮らせる地域づくりを目指します。
私たち『身寄り』がない人を支援する支援者等は,
『身寄り』がない本人らの主体的な権利擁護を尊重し,
本人らによる支えあいを支え,
公共性のある保証機能とつながりを提供し,
『身寄り』がない人に対する個別の支援を行うとともに,
『身寄り』の有無にかかわらず安心して暮らせる地域づくりを目指します。
『身寄り』問題の解決に挑むすべての行動において,『身寄り』がない本人が主人公です。
同時に『身寄り』がない本人らと支援者等は対等な立場にあるものとして互いを尊重しあいます。
『身寄り』問題の解決に「ただしく」挑むアプローチは,原則として,次の要件をすべて満たしている必要があります。
①本人の意思に基づくこと
②権利制限を受けないこと
③本人の主体性が尊重されること
④本人と社会とのつながりを豊かにするものであること
⑤チームによる支援が行われること
⑥費用が適切であること
2023.9.2 仮作成(芝田淳個人による)
今後,フォーラム会員間において再検討し,正式な宣言として採択予定

司法書士
芝田 淳
1968年生まれNPO法人やどかりプラス理事長(旧NPO法人やどかりサポート鹿児島理事長,
旧NPO法人つながる鹿児島理事長)
※NPO法人やどかりサポート鹿児島と、NPO法人つながる鹿児島は2024年8月に合併し、法人名称を「NPO法人やどかりプラス」に変更しました。